バイオ燃料のメリット
バイオ燃料とは、生物資源を原料として製造される燃料のことです。主として現在は、ガソリンへの混合利用を目的としたバイオエタノールと代替燃料としてバイオディーゼル燃料(BDF)の2種類があります。
バイオ燃料は、原料となる植物が光合成により二酸化炭素を吸収するため、燃焼させても二酸化炭素は増加しないとみなされる、いわゆる「カーボンニュートラル」の燃料です。そのため、各国は温室効果ガスの排出削減の手段としてバイオ燃料の導入を進めています。
また、バイオ燃料の導入促進には農業振興という側面もあります。バイオ燃料を導入すると、原料の生産農家にとっては農作物の新たな需要が生まれ、取引価格が上昇または維持されることが期待されます。
さらに、自国の農業振興を図るため、バイオ燃料の導入を進めている国の多くは、自国で生産される作物を活用してバイオ燃料を製造することを計画しています。そのためエネルギーの自給率を向上させる一助ともなります。
このようにバイオ燃料の導入には「温室効果ガスの排出削減」、「農業振興」、「エネルギー自給率向上」といったメリットが期待されています。
ゴルフ場の芝からバイオ燃料
バイオエタノールはトウモロコシやサトウキビを原料に実用化されましたが、食料用作物と競合し価格高騰が問題になっています。
そんな中、ゴルフ場で処分される芝からバイオエタノールを製造する新技術を、岐阜大学の研究グループらが開発しました。1カ所のゴルフ場から車2台の1年分の燃料を生産でき、トゥービー(三重県)が実証プラントの運用を始める予定です。
研究グループは、ゴルフ場で使用されるベントグラスなどの芝に着目。繊維が多いため酵素で繊維を糖に変えた後、発酵させる必要がありますが、アクレモニウムセルラーゼ、エンドグルカナーゼという2種類の酵素の組み合わせで高効率で糖に変換する方法を開発しました。
18ホールのゴルフ場で1年間に刈る芝は乾燥重量で約18トンとされ、試算ではガソリン約2300リットルに相当する2.7トン以上のエタノールが作れます。
通常、ゴルフ場の芝を廃棄物として焼却すると、最大で年に1000万円のコストがかかるとされていますが、この方法だと廃棄物の処理とバイオエタノールの生産ができ一石二鳥となります。
食品リサイクル法で有機系バイオマスの活用
食品の製造・加工、食品の卸売り・小売、飲食店などの食品関連事業者を対象として、食品廃棄物の発生抑制・再生利用・原料について定めています。
この法律では、食品廃棄物の再生利用等の実施率20%以上を目指すこととしています。食品廃棄物を年間100トン以上輩出する業者がこの義務を履行しない場合には罰則もあります。
食品リサイクル法によって、食品廃棄物が効率的に収集されるようになれば、有機系バイオマスの活用が大きく進むと期待されています。
建設リサイクル法で木質バイオマスの収集促進
特定の建設資材について、その分別解体及び再資源化などを促進することを目的に制定されました。
この法律の柱の一つは、解体社に分別解体の義務を課すことにあります。そのため、解体工事業者の登録制度を導入しました。
もう一つの柱は、再資源化等の実施義務を課していることです。対象となる建設工事の受注者は、分別解体等に伴って生じた特定建設資材廃棄物を再資源化しなければなりません。
建設リサイクル法が適切に適用されれば、木質バイオマスの収集が促進されることが期待されます。
農業系バイオマスの堆肥化を目指す持続農業法
環境と調和の取れた持続的な農業生産を促進することを目的とした法律です。そのため、農業者に対して、農業の基本となる土作りの技術、化学肥料や化学合成農薬の使用低減技術の導入計画を策定します。
持続農業法では、化学肥料を抑制するために農業系バイオマスの堆肥化を志向しています。しかし、堆肥化を目的に農業系バイオマスの分別収集の効率的な仕組みが構築されれば、バイオ燃料の原料も集められることになります。
その意味で、バイオ燃料と関連のある法律といえます。
家畜排泄物法で堆肥とバイオガス化の促進
この法律の目的の一つは、野積み、素掘投棄といった堆肥・尿の不適正処理を禁止し、生活環境の汚染を防止することにあります。
かつて、家畜排泄物は、農作物や飼料作物の生産に有効活用されてきました。しかし、近年では畜産経営の急激な大規模化や、高齢化に伴う労働力不足等により、家畜排泄物の適正管理の適正管理が困難になりつつありました。こうした状況の改善を目的として、法律が制定されました。
もう一つの目的は、家畜排泄物の有効利用です。家畜排泄物の用途は、耕種農家向けの堆肥とバイオガス化があります。その意味でも、これもバイオ燃料とかかわりの深い法律といえます。


