バイオ燃料の基礎知識

海外のバイオ燃料政策

EUは、温室効果ガス(以下GHG:Greenhouse Gasの略)の排出量を2008年~2012年の間に1990年比で8%削減することが京都議定書によって求められていますが、そのためには二酸化炭素の排出量において大きな割合を占めている輸送部門での削減が不可欠です。それを可能にする唯一の燃料がバイオ燃料とされています。

実際にバイオ燃料の生産振興行うにあたって、欧州委員会はバイオ燃料の生産に関する法的な枠組みを作成しましたが、その取り組みへの足並みは加盟国の間でばらつきがあり、目標を大きく下回るペースとなっていました。

そのため、欧州理事会において加盟国に対するバイオ燃料の利用目標を義務付ける合意がなされましたが、その後の食料価格の高騰などの影響もあり、具体的な内容は2008年末に加盟国間で妥協合意するまでの間、激しいやり取りが行われました。

EUでは政策面に加えて、バイオ燃料需給を取り巻く状況も厳しくなっており、加盟国の間では税制優遇措置の段階的な撤廃、安価な燃料の輸入増加など、EUにおける生産の環境は楽観できません。

EUのバイオ燃料政策の目的は、温室効果ガスの削減、エネルギーの安全保障、農業・農村の開発・促進の3つの面がありますが、それぞれが占めるウェートは加盟国により大きく異なり、フランスでは、農村部におけるバイオ燃料の生産を通じた農業・農村の発展に念頭において政策が進められています。

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バイオ燃料もスーパードライの時代か?アサヒビールが新技術

アサヒのアルコールが注がれるのはビアジョッキではなく、自動車の給油口になるかも? というのも、同社が通常のサトウキビよりも育成スピードが2倍の品種を利用して「バイオエタノール」を大量生産する技術の確立を進めているからです。早ければ、2010年度にも量産に乗り出すそうです。

このサイトでも書いているように、バイオ燃料がガソリン代替の自動車用燃料として利用されるには、原料のトウモロコシなどの食用需要とのバッティングで価格の高騰に拍車がかかり、食料事情に影響を及ぼすという点です。

そこで、アサヒは生産性の観点から、サトウキビの中でも1年で1ヘクタール当たり100~120トンと、通常の2倍の収穫がある品種。これなら食料への影響を抑えながらバイオエタノールを生産できるというわけです。

2年前から沖縄県伊江島でこのサトウキビから取り出した燃料をガソリンに混ぜて自動車用に使う実証実験に乗り出しており、その成果を踏まえ、量産設備を建設する方針です。

コスト面ですが、レギュラーガソリンの店頭価格は現在、1リットル当たり115円程度で、税金を除いた実質コストは60円超となっています。アサヒのバイオエタノールは、実質コスト30円を目標にしています。

バイオガスの普及にはいくつかの課題があります

バイオガスは、ヘドロの堆積した河川などで発生するガスと同じ成分の気体で、有機物を一定温度で酸素のない環境に長時間放置すると、メタン菌の働きによって有機物が分解され、バイオガスが発生します。

現段階では、バイオエタノールバイオディーゼルのような注目は集めていませんが、バイオ燃料として高いポテンシャルを持っています。環境先進国のドイツなどでは、温室効果ガスを削減するために早くからバイオガスに注目し、バイオガスで走行する路面電車などが導入されています。

ただし、二酸化炭素など不燃性の不純物を含むためカロリーが低く、多くの熱量を得ることができないため、バイオガスを直接使う場合は用途がかなり限定されます。また、ガスの半分近くが二酸化炭素のため、輸送する場合でもカロリー当たりの輸送コストが約2倍になってしまうというデメリットもあります。
また、高圧にすると二酸化炭素が液化してしまい、降圧ボンベに充填することができないため、大容積の容器で運ばなければなりません。

温室効果ガス削減効果が期待できるバイオガスですが、燃料として利用するにはこれらの課題があります。これらを解決するために、導入当初からバイオガス専用のインフラを作るのではコスト負担が大きすぎます。普及にあたっては、既に整備されている化石燃料のインフラが利用できるように、バイオガスを精製するなどの工夫が必要となります。

バイオ燃料のメリット

バイオ燃料とは、生物資源を原料として製造される燃料のことです。主として現在は、ガソリンへの混合利用を目的としたバイオエタノールと代替燃料としてバイオディーゼル燃料(BDF)の2種類があります。

バイオ燃料は、原料となる植物が光合成により二酸化炭素を吸収するため、燃焼させても二酸化炭素は増加しないとみなされる、いわゆる「カーボンニュートラル」の燃料です。そのため、各国は温室効果ガスの排出削減の手段としてバイオ燃料の導入を進めています。

また、バイオ燃料の導入促進には農業振興という側面もあります。バイオ燃料を導入すると、原料の生産農家にとっては農作物の新たな需要が生まれ、取引価格が上昇または維持されることが期待されます。

さらに、自国の農業振興を図るため、バイオ燃料の導入を進めている国の多くは、自国で生産される作物を活用してバイオ燃料を製造することを計画しています。そのためエネルギーの自給率を向上させる一助ともなります。

このようにバイオ燃料の導入には「温室効果ガスの排出削減」、「農業振興」、「エネルギー自給率向上」といったメリットが期待されています。

ゴルフ場の芝からバイオ燃料

バイオエタノールはトウモロコシやサトウキビを原料に実用化されましたが、食料用作物と競合し価格高騰が問題になっています。

そんな中、ゴルフ場で処分される芝からバイオエタノールを製造する新技術を、岐阜大学の研究グループらが開発しました。1カ所のゴルフ場から車2台の1年分の燃料を生産でき、トゥービー(三重県)が実証プラントの運用を始める予定です。

研究グループは、ゴルフ場で使用されるベントグラスなどの芝に着目。繊維が多いため酵素で繊維を糖に変えた後、発酵させる必要がありますが、アクレモニウムセルラーゼ、エンドグルカナーゼという2種類の酵素の組み合わせで高効率で糖に変換する方法を開発しました。

18ホールのゴルフ場で1年間に刈る芝は乾燥重量で約18トンとされ、試算ではガソリン約2300リットルに相当する2.7トン以上のエタノールが作れます。

通常、ゴルフ場の芝を廃棄物として焼却すると、最大で年に1000万円のコストがかかるとされていますが、この方法だと廃棄物の処理とバイオエタノールの生産ができ一石二鳥となります。

食品リサイクル法で有機系バイオマスの活用

食品の製造・加工、食品の卸売り・小売、飲食店などの食品関連事業者を対象として、食品廃棄物の発生抑制・再生利用・原料について定めています。

この法律では、食品廃棄物の再生利用等の実施率20%以上を目指すこととしています。食品廃棄物を年間100トン以上輩出する業者がこの義務を履行しない場合には罰則もあります。

食品リサイクル法によって、食品廃棄物が効率的に収集されるようになれば、有機系バイオマスの活用が大きく進むと期待されています。

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